福岡市東区青葉・土井で予防歯科に取り組む歯医者「青葉イーストコート歯科・こども歯科(ミスターマックス土井店敷地内)」のブログです。
最近では、日本の歯科界においても「予防」が重視されるようになってきました。
「予防」は、当院も中心に据えている重要な生活習慣です。
今日は、「アメリカ人と日本人の予防意識の違い」についてお話しします。
古から伝わる「予防」
古くから医科では「悪くならないために」と考え、人々は自ら「予防」を実践してきました。
食事や運動、生活習慣の改善など、全身の健康のための「予防」は誰しもの身近に自然とあったとも言えます。
しかし、これまで残念ながら歯科界では「予防」という意識は低く、歯科医院は「悪くなってから行くところ」という考えが大多数でした。
そう、歯科疾患予防のために人々が実践してしてきたのは、いわゆる「エチケットのための歯磨き」だったのです。
アメリカ人の「予防意識」とは?
一方、予防意識の高いアメリカ人はどのように「予防歯科」を捉えているのでしょうか。
歯科商品を多数販売しているライオン株式会社が日本・アメリカ・スウェーデンの各国1200人に対し行った調査では興味深い結果が示されていました。
「あなたは直近1年間で歯医者に行きましたか?」という問いに対し、「いいえ」と答えた日本人は57.5%、それに対してアメリカ人は35.1%でした。
この意識の差は何から生まれるのでしょうか。
「予防意識」の背後に国家制度あり?!
実は、これには様々な要因が考えられますが、今日は国家制度について言及してみたいと思います。
日本には国民皆保険制度があります。国民全員が一定水準の治療を保険内で受けることができるようにと運用されています。財源には限りがありますので、残念ながら適応疾患や材料には制限があります。
一方、アメリカは自動車保険で言うところの任意保険のような制度だと考えると分かりやすいです。つまり、保険料に応じた保険給付となり、高額な掛金の保険は充実した医療を賄うことができるということです。もちろん、収入から保険料を捻出することが難しい方も多く、いわゆる無保険状態である方がいらっしゃいます。アメリカでは救急車で病院に運び込まれたとき、何より先に「保険に加入しているかどうか」をチェックするという笑い話にはできない話を耳にしたこともあります。
日本人のコスト意識
日本とアメリカの予防意識の違いは、見方を変えれば「コスト意識」からくるものかもしれません。
極限の貧困を身近に感じにくい日本人にとって、医療コスト感覚は理解が難しい感覚です。また、日本の治療費は世界でも稀にみる低価格なので、日本人には無意識に「悪くなったら治せばいい」という感覚が存在すると言われます。
誤解を恐れず申し上げれば、日本人の多くは「悪くもないのに予防のためにお金をかけること」を「もったいない」と感じてきました。
それもすべては、安価に治療を受けられる国民皆保険制度が根付かせた悪い面だと考えています。
更に、日本の保険制度では、予防に対して保険給付されません。つまり、「健康を未然に防ぐ取り組みは自費でどうぞ」というのが日本国の考えなのです。
そのような環境の中で、日本人の予防意識が低いのは当然とも言えます。
アメリカ人のコスト意識
一方で、アメリカ人の予防意識はどうでしょう。
日本のような保険制度はありませんので、「病気になったらお金がかかる」という思いが当然として根底にあります。アメリカ人にとって病気になることは一大事なのです。そうなると、当然として「予防」に努めます。
そして、アメリカ人はそのコスト意識があったからこそ、医療の真実に気付いたのではないかと考えられます。
その真実とは、「予防に努めて健康を維持することは、不要な出費を避けるだけでなく、人生をより豊かなものにする」ということです。
この「豊かさ」には様々なものが当てはまります。人によって異なるでしょう。
まとめ
「与えられる健康」から「自ら獲得する健康」へ時代は変わりつつあります。
あなたは、「予防」にどのような意義を見いだせるでしょうか?
私たちの考える「あったらいいな」をカタチにした歯科医院「青葉イーストコート歯科・こども歯科(ミスターマックス土井店敷地内)」では、「お口の健康を通じて、患者さんの人生をより豊かにするパートナーとなる」を医院理念の一つとしています。
人生という長い期間を見据えた医療でなければ、それは行き当たり場当たりのものになってしまいます。
人生はステージによって健康への価値観も変わっていきます。
しかし、その根底にある「予防の大切さ」はブレることなく存在します。患者さんの変化に合わせながら、長くお付き合いのできる歯科医院でありたいと考えます。