福岡市東区青葉・土井で予防歯科に取り組む歯医者「青葉イーストコート歯科・こども歯科(ミスターマックス土井店 敷地内)」のブログです。
今日のブログは、少し壮大なテーマから始まります。
ですが、お伝えしたいことは「お口の健康」に関することですので、気楽に読み進めていただきたいと思います。
進化を続ける人類
私たち人類は、進化の過程で地球に対して大きな影響を与えるようになりました。中には、「人類は生物のトップであり、もはや地球を支配している存在だ」と唱える人もいるほどです。
しかし、私たち人類は、生態系の一種に過ぎず、地球に生かされているということを忘れてはいけません。どんなにテクノロジーが進化しても、昼と夜を逆転させる、雨を降らせる、台風の進路を変更する、そんなことはできないのです。
特に、災害時には、人間の無力さを痛感します。
繰り返される災害
これまでの地球上の歴史の中では、生態系を一変させてしまうような大災害が幾度となく起こりました。近年でも、世界中で災害が起こり、平穏な日常が奪われ、そして、尊い命が失われました。
しかし、その度に、私たちは手を取り合い、互いに助け合いながら、復興を目指して日々取り組んできたのです。
備えあれば憂いなし
「備えあれば憂いなし」という言葉があります。
災害が起きた時のために、物資の備えは重要です。それに加えて、正しい情報を備えておくことも非常に重要です。例えば、災害時の避難先、避難方法、そして、避難生活での留意点などが挙げられます。
災害時もお口のケアが重要
避難生活では、環境が不衛生になる傾向があります。物資も慢性的に不足します。そのような環境下では、お口のケアが十分に行われないことが多いのです。
当院が繰り返しお伝えしているように、「お口の健康と全身の健康」は、密接に関係しています。お口の衛生状態が良くないと、特に高齢者は、肺炎などの深刻な症状を起こすリスクが高まってしまいます。災害時でも、お口のケアを行うことは非常に重要なのです。
災害時のお口のケア①
お口のケアの基本は、歯ブラシを使ったブラッシングです。
災害時の限られた環境の中でも、全身の健康のためにブラッシンをする価値は非常に高いのです。
災害時のお口のケア②
避難生活では、歯ブラシがないという場合もあると思います。
その時は、ハンカチやガーゼなどを使って歯をケアしましょう。歯を綺麗にする目的は、食べカスを取るだけではありません。お口の中に潜む虫歯菌や歯周病菌が増殖しにくい環境を作るためです。
けして歯磨きを軽視してはいけません。
災害時のお口のケア③
入れ歯はプラスチックでできています。そのため、表面には目に見えない無数の傷があります。その傷にお口の中の菌が入り込んで繁殖します。
繁殖した菌はやがて大きくなり、ある日ポロリと入れ歯から剥がれ落ち、それを誤って気管の方へ飲み込んでしまい、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。
そのため、入れ歯は食事毎に外して丁寧に洗いましょう。
最後に
最後に私たち歯科医療者からのお願いです。
もしも不幸にして、あなたが災害に遭ってしまった時、必ずお口のケアに取り組んで、まずはご自身の健康を守ってください。そして、家族・友人、周りの人々に、お口のケアが全身の健康を守ることを伝え、みんなの健康を守ってください。
これまで、いざ災害が起きたときには、歯科医師会や有志の歯科医師が積極的に復興支援に取り組んできました。そして、それはこれからも世代を超えて続いていくでしょう。それは、お口の健康が全身の健康につながることを痛感しているからです。
多くの人が、お口のケアの重要性を理解することで、災害後の病気の発生リスクを減らすことができます。災害時の物資の備蓄は重要です。ただ、それだけで満足せずに、災害が起きた時、自分の健康をいかに守っていくかを普段から考えておくことは大切なことだと思います。