福岡市東区青葉・土井で予防歯科に取り組む歯医者「青葉イーストコート歯科・こども歯科(ミスターマックス土井店敷地内)」のブログです。
「どうして開業したいの?」
実はこれ、勤務歯科医師が聞かれると、
「えーと・・・なんだろう?」
って、答えに窮する質問です。
実は、歯科医師は、確固たる意思や目標を持たずに開業する(開業せざるを得ない?)場合が少なくありません。
一昔前、歯科大学を卒業したら「すぐ開業」、遅くとも「3年以内に開業」と言われた時代がありました。
時代背景として、当時は歯科を受診する患者がとても多く、新米歯科医師が短期間で数多くの治療経験を積めたという事情もありましたし、一定の技術を身につけておけば、若くして開業しても歯科医院経営が成り立ったからでもあります。
時代が変わり、歯科医院が急増。
人口はどんどん減少しているのに、毎年多くの歯科医師が生まれます。
さらに、国民のお口の健康への意識が高まっており、虫歯になる人が減っていきました。
患者が減り、歯科医師が増える。
これが、歯科界の現状です。
現在、新米歯科医師は修行の場を求めますが、勤務医を雇えるほど儲かってウハウハな歯科医院(ウハクリと言われます)は多くはありません。
縁あって良い歯科医院と巡り合っても、多くの場合、雇用条件は厳しく設定されています。
(まあ、修行の身ですから致し方ないとも言えます…)
また、院長先生も「数年したら独立していく」と思って雇うわけですから、待遇を手厚くして生涯勤めてもらおうという発想はありません。
逆に、長く勤務して人件費のかかる中堅歯科医師よりも、少ない人件費で不満なく働いてくれる新卒の歯科医師を代わる代わる雇っていくほうが経営的に良いと考えるわけです。
流されるようにして開業していく歯科医師。
さて、そうしているうちに、院長や先輩・同期、材料屋さん、コンサルタントさん等の周りから「そろそろ開業ですね」という空気が漂い始めます。
そうこうしていくうちに、勤務歯科医師も「開業しようかなあ」なんて思い始めます。
こうして、開業へのベルトコンベアに乗せられて…といった具合で、歯科医院開業を迎える歯科医師が多いのが実情なのです。(もちろん、全員ではありませんので誤解なきよう。)
では、今日はこの辺りで。
次回は、「棚ぼた?」で開業していくパターンについてお話しします。
「どうして開業したいの(2)」へ続く